6/17まで東京国立博物館でやっていた特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ
-天才の実像」を見に行った時に感じた事を書いておきたい。
それはこの特別展の目玉だった『受胎告知』に関係する事ではなく、その他
に展示されていたダ・ヴィンチの発明品の模型や設計資料などを見ていて感
じた事だ。そこにはダ・ヴィンチの考案した戦車のスケッチや永久機関の模
型などがあった。
15世紀後半当時の最先端技術、技術の粋を集めたものに「時計」がある。
「時計」は複雑な歯車の組合せと歯車の動作を調整する部品、ゼンマイなど
の動力源からなる精緻な機械であり、ダ・ヴィンチの多くの発明品も基本的
に同じ構造になっていた。大小様々な歯車の組合せで機械の動作を制御する
という発想は、現代まで通じる技術の中心概念だろう。ダ・ヴィンチの考案
したヘリコプターの模型などを見ると、パッと見それがヘリであることがす
ぐわかるし、その先見性と構想力は本当にすごいと思った。
それと同時に、今の人にはそれが実際には飛べないものであることもすぐに
分る。その動作制御の緻密さは現代にも通用するものにもかかわらず、そこ
には決定的に欠けているものがある。それは動力源。
ダ・ヴィンチのヘリコプターはなんと人力!
ここにルネッサンスの時代と現代を分ける決定的な違いの一つがあると思う。
ルネッサンスの頃の主な動力源は当時発明されたゼンマイの他は人力、水力、
風力、馬、重力など、基本的には自然の力を利用するものだった。その状況
を一変させるのが、蒸気機関など熱エネルギーを動力に変える「熱機関」の
発明。蒸気機関そのものは古代ローマの時代からあったようだが、実用可能
な燃料効率の蒸気機関を開発したのは18世紀のスコットランド人のワットで
あり、ワットの蒸気機関がイギリスの「産業革命」と呼ばれる工業化の原動
力になったとされている。そしてその工業化が今も世界中に進行し続けてい
るのは、これも誰もが知っている通りだ。
ダ・ヴィンチのヘリコプターも何か動力を付ければ飛ぶのだろうか?
それとも他にも何か欠陥があって飛べないのだろうか?
それからダ・ヴィンチはリラなどの楽器も演奏し、新しく考えた楽器のスケ
ッチもあるらしい。
最後に、下の写真はダ・ヴィンチが考えた人力飛行機の実物大模型。
これも素材が木でできているため重たくて飛ばないが、形だけ見ると飛べそ
うな感じがした。やはりその発想は凄い。
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