2007年04月10日

ピューリタン?

マックス・ヴェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
の中で、プロテスタントの中でも特にイギリスのピューリタンと呼ばれる
人々に注目する。
16世紀前半、ヨーロッパ各国でそれぞれ始まったキリスト教の宗教改革、
ドイツのルター、スイスのカルバンなどが有名だが、イギリスでもローマ
カトリック修道院の多数廃止が国王によって行なわれ、イギリス国教会が
できる。ただイギリス国教会は政治的にカトリックと分離しただけで、教
義はカトリックのままだった。その後国教会の内部でカルバンの影響を受
けたピューリタンが台頭し、対立、やがて国教会から離脱し始め、一部は
アメリカに逃れ、アメリカ独立にも影響を与えることになる。

宗教改革の主旨は大雑把にいって、信仰復興(信仰リバイバル)であり、
信仰からの自由というのとはまったく逆で、もっと厳格に信仰を守ろうと
するものだった。それは聖書を、聖書だけを重要視し、原始キリスト教団
が営んだような、あるいは修道士のような禁欲的な生活を世俗社会で実践
していこうとするもので、これはカルバンの特徴でもあるが、神中心の生
活を求めるものだった。また聖書以外の権威を認めないということは当然、
教会や国王への反権威的な指向も含んでいた。

ピューリタンの禁欲指向は徹底していて演劇や劇場の排斥なども行なった
ため、シェイクスピアはピューリタンを嫌っていたらしい。

またヴェーバーは第2章(P333)で
 『イギリスではエリザベス朝以後、戯曲ばかりか叙情詩や民謡までもが
  涸渇してしまったことは、周知の事実だ。(中略)きわめて優秀だっ
  たと思われる音楽的才能(音楽史におけるイギリスの役割はかなり重
  要だ)がまったく影をひそめてしまったことは注目すべきで、それ以
  来、この方面ではアングロ・サクソン民族は、今にいたるまで、同じ
  状態をつづけている。アメリカでも、黒人教会のほかは、「教会音楽
  としてわれわれの耳に入るのは、ドイツ人には聞くに堪えない金切り
  声ばかりだ』
と書いとります。

ヴェーバーは1920年時点でフォスターを知らなかったんだねきっと。
フォスターもそうだけど、アフロ・アメリカンなしじゃアメリカ音楽は成
立しないね。ヨーロッパと違わなくなっちゃう。
タグ:自由 FREEDOM
posted by 浅谷龍彦 at 22:33| 千葉 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 思索(自由) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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