Memphis Willie B (1945)
『The Poetry of THE BLUES』(中央アート出版社)という本で読んで
好きになった歌がある。"Overseas Blues"。
作者はメンフィス・ウィリー・Bという人で、この本によるとメンフィス・
ウィリー・Bは、1942年1月に徴兵されてからずっとヨーロッパ戦線に従
軍していたが、1945年4月にドイツが降伏した後、今度は日本に送られる
可能性が出て来て、嫌になったメンフィス・ウィリー・Bが
この"Overseas Blues"を作ったということらしい。
歌は5番まであるが、ここでは2番まで紹介する。
"Overseas Blues"
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I was way overseas,
I was way over in New Jerusalem.
General Eisenhower said, "You soldiers got to go over to Tokyo,
And do the best you can.
But I told him, no, little Willie don't want to go.
Said I had so much trouble with the Germans,
Don't send me over in Tokyo.
俺は海の向こうにいった。
俺はニュー・エルサレム(たぶんドイツのこと)にいた。
そこにアイゼンハワー司令官が言った。
「兵士諸君には東京へ行って、ベストを尽くしてもらう。」
だけど俺は彼に言った。
「いやです、ちびのウィリーは行きたくありません。
ドイツ人相手に散々てこずりました。
東京には送らないでください。」
He said, "Germany done fell now,
You soldier boys know what it's all about.
You go way over to the other islands,
And help General MacArthur out."
I told him, no, little Willie don't want to go.
I had so much trouble with the Germans,
Don't send me over in Tokyo.
彼は言った。
「今やドイツは落ちた、みなさんは、それが何を意味するかわかるだろう。」
「君達は別の島に行って、マッカーサー司令官を助けてくれ。」
だけど俺は彼に言った。
「いやです、ちびのウィリーは行きたくありません。
ドイツ人相手に散々てこずりました。
東京には送らないでください。」
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今のアメリカ兵はこう歌うのかもしれない。
トミー・フランクス司令官が言った。
「今やアフガニスタンは落ちた、みなさんは、それが何を意味するかわかるだろう。」
「君達は次にイラクに行って、また私を助けてくれ。」
だけど俺は彼に言った。
「いやです、ちびのウィリーは行きたくありません。
アフガニスタン人相手に散々てこずりました。
バグダッドには送らないでください。」
※これは2003.9.28、Trans Comic Xpressに投稿したものを修正したものです。