2011年05月28日

東電原発事故に絡んで

震災以来、当日の自分の行動を備忘録も兼ねてブログに残して
おこうと思っていたが、どうしても関心が原発事故に向いてし
まうので、そちらから書こうと思う。ただ原子力の理論や技術
について何か語れる訳はないので、原発を取り巻く状況につい
て書くことにする。

原子力発電所については、その始めから反対運動があり、推進
派と対立して来た。だが今回の東京電力福島第一原子力発電所
の事故が発生するまでは、ずっと推進派が反対派を圧倒し、40
年余りで54基もの原子炉が作られ、さらに増やす計画が進めら
れていた。これまで推進派は原子力について安全を前面に押し
出して関係者を説得し、世論の支持も得てヘゲモニーを握って
来た。しかしその「安全」が今回の地震と津波によって打ち砕
かれてしまった。

言説はそれ自体で自立して存在できるものではない。言説が説
得力を持つには、何かその言説に対応する(と思われる)事実の
存在が必要になる。これが言説の説得力の(公然の)秘密である。
これは、詐欺師が自身の嘘に信憑性を持たせるために、何かひ
とつ事実を嘘に混ぜ込むということによって、ネガティブに証
明される。

推進派の言葉に力を与えて来たのが、大きな事故は起きてない
という事実だったが、今回の事故でその「事実」が消えてなく
なってしまった。言葉を支えて来た土台が崩壊してしまったの
だ。

今、福島での東電原発事故によって、推進派がヘゲモニーを失
い、反対派が勢いを増している。だが反対派がヘゲモニーを握っ
たとまではいえない。今まさに原発を巡る言説の中でのヘゲモ
ニー闘争が繰り広げられている只中にある。
今、真理は不在。
posted by 浅谷龍彦 at 02:43| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記(ぼやき) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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