S席で4,500円。でも場所は武道館の2階。ブライアン・アダムスの時より600円高
いのに、ステージから遠い2階。
このチケットもブライアン・アダムス同様『チケットぴあ』の特電予約で取ったも
のだ。この時は電話がつながるまで、30分ぐらいかかってしまったせいか、取れた
チケットはS席なのに2階席になってしまった。
ヒューイ・ルイスは当時『Sports』というアルバムが売れていて、さらに映画
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌になった"Power Of Love"が全米1位
のヒットになった後だった。
ヒューイ・ルイスのロックンロールはR&B色が強く、50&60年代のR&Bのコーラス
グループのようなハーモニーが大きな特徴の1つだった。そしてライブでは必ずアカ
ペラで"It's All Right"や"So Match In Love"をやることを知っていて、これを見るの
が愉しみだった。これはライブでしか聞けない。
この時取ったチケットは2枚。一緒に行ったのはテニス部の先輩だった。
12/3の当日、これもまた前回同様6時限目の授業を早退して、駅で先輩と待ち合わせ
て武道館に向かった。武道館に着き、中に入って2階席の場所に行くと、そこから見
えるステージはブライアン・アダムスの時とは違って、遥か遠く小さかった。
暗い中、ドクン、ドクンと鼓動のようなSEが流れ出す。
"The Heart Of Rock & Roll"のオープニングだ。
そして照明が明るくなると同時にイントロが始まり、ヒューイ・ルイスが現れる。
後で雑誌のインタビュー記事で読んだと思うのだが、ヒューイは当日、日本の乾燥し
た冬に喉をやられて声が出なかったらしいが、見てる時はぜんぜんわからなかった。
もともとダミ声だし(笑)。
そして中盤、待っていたアカペラが始まった!
曲は"It's All Right"。ベースを除いたザ・ニュースのメンバーでのコーラスワーク
は最高で、これが見れてほんとに良かった。
ちなみに、この曲はカーティス・メイフィールドがいたコーラスグループ、
インプレッションズのものだ。"People Get Ready"もこのグループの曲。
それから、この時のツアーにはバックにタワー・オブ・パワーのホーンセクション
が付いていて、サウンド全体に厚みと華やかさを加え、最高のR&Rが聞けた。
特に"Workin' for a Livin'"はタワー・オブ・パワーのホーン、ヒューイのハーモニカ
が全開で、これまた最高だった。
ここまで3回「最高」と書いたが、この時期のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは
ノリもハーモニーもパワーも備えた最強のR&Rバンドだったと思う。
ヒューイ・ルイスを知ったのは当然アルバム『Sports』でだが、俺は『Sports』
よりもその前のアルバム『ベイエリアの風 』の方が好きで、その収録曲
"Workin' for a Livin'"がヒューイ・ルイスの最高傑作だと思っている。
そして"Do You Believe in Love"のコーラスがまた美しい。
この日は家には帰らず、先輩の家に泊めてもらって、翌日学校に行った。
テニスをしに(笑)。