Roxy Music (from album 'SIREN', 1975)
Oh oh catch that buzz.
Love is the drug I'm thinking of.
Oh oh can't you see.
Love is the drug for me.
ブライアン・フェリーはサビで歌う。
「この快感。愛はまさしくドラッグだ。判るだろ?愛は俺のドラッグだ。」
愛は、今まで人間が手にしたもののかでも最も強力なドラッグの1つで、
人生が”バラ色”になったり世界が”虹色”に見えたりする幻覚や、
”天使の歌声”が聞こえたりする幻聴を引き起こしたり、
”愛する人のためなら死ねる”といった妄想を生んだりする。
またその依存性も高く、愛を始めてしばらくすると
”愛があれば他には何もいらない”と口走るようになったり、
”愛がなければ生きていけない”というような状態に陥り、
食事をとらなくなってしまったりする。
バッドトリップした場合は危険で、関係のない人との関係妄想に取り憑かれ、
愛し合っていると思い込んでストーカー行為に及んだり、
浮気されるのではないかという猜疑心から相手を監視するために
盗聴器を仕掛けたりもするようになる。
愛が切れると今度は禁断症状が出て、”自分は誰にも愛されてない”
という疎外感に襲われ、”みんなが自分を嫌っている”という
被害妄想に捕われるようになると、今度はそこから憎しみが生れて、
反社会的な行動に出る者も現れる。
愛も他のドラッグ同様、続けていると次第にその効果が薄れてくるようになり、
同じ分量の愛では満足できなくなって来て1回に使う愛の量がどんどん増えて行き、
最後には”愛に疲れ”廃人のようになってしまう。
このように愛は本当にひどいドラッグなのに、多くの人はその危険性を軽く捉え、
安易に”ちょっとした気晴らしに”簡単に愛に手を出してしまう。
最近ではその浸透度は加速度的に増大し、乱用の低年齢化も深刻な問題となっている。
愛にはまって、やめられなくなった人の誰もが決まってこう口にする。
”自分だけは大丈夫と思った”と。
Oh oh can't you see.
Love is the drug for you.
Love is the drug for you.
この曲に直接関係はないが、ピート・タウンゼント(THE WHO)が昔のインタビューで、
次のような話をしている。
「誰かが、一度ヘロインをやった時に、そいつが ”俺は、もうこいつはやめとくよ。
だってあまりにも良すぎるぜ!”といったという話しをきいたことがある。」
ならば愛についてもこう言えないだろうか?
”俺は、もうこいつはやめとくよ。だってあまりにも良すぎるぜ!”
※これは2003.6.1、Trans Comic Xpressに投稿したものです。